イベントレポート 「ピエロマイムファンタジー」2021年9月4日(土)開催

ホール主催の催しの感想や雰囲気をみなさまに発信する活動をしている“情報発信ボランティアライター”の方によるレポートをお届けいたします。

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久しぶりのなぎさホール。今日の公演は、パントマイムやジャグリングなどの大道芸だ。
図書館の方から入ると、ちょうど検温とアルコール消毒に並ぶ列の最後尾だった。こんな光景も新しい入場様式。
会場内には小さなお子様が多い。お膝に抱っこで開演を待つ姿がかわいらしい。
開演前のアナウンスも〔新しい生活様式〕に基づいて長めで、換気システムや退場規制の案内などが加わっていた。今日は演出の関係で、最初は足元灯も非常灯も全ての照明が消されるそうだ。そして、真っ暗になると、案の定、泣き出す子が…。
暗闇のなか、ステージの方向を見ていると、下の方に一筋、蛍光ブルーの線が見える。ゆっくりともう一筋。続いてフラフープのような輪っかが左から右へ、右から左へ転がり出した。こちらも蛍光ブルーだ。真っ暗だが、皆がステージに集中している気配を感じる。床を打つような音とともに光る線が波打ちだして、「ああ、ロープだったんだ」と気づく。
照明がつくと、いつのまにか幕は開いていて、道化師がやって来た。茶色の四角い革の鞄を持ってオープニングパフォーマンスが始まる。上手いなぁ、パントマイム。鞄が宙に浮いているようだ。子どもたちも釘付けになり、澄んだ笑い声と思い思いの感想が会場を明るくする。とりわけ子どもたちが前のめりになって、笑い声を響かせていたのが《画家とモデル》という演目。ふたりのパフォーマーの台詞なき掛け合いは、先を予想させて笑いを誘い、予想通りでまた笑わせた。一生懸命伝えて、一生懸命受け取る。言葉がないからこそ生まれる、通い合う空気があった。
“パントマイム”とは“いろいろなまね”という意味だそうだ。つま先で歩くと女の人っぽいとか、かかとで歩くとおじいさんぽいとか、身体を使ってまねをするってこんな感じだよ、とやってみせてくれる。フィナーレで、ものすごい高さの一輪車と、竹馬みたいな“足長”というものに乗りながらのジャグリングをみていたら、ふと、休日の公園で出くわした大道芸を思い出して、ステージの背景に青空と木々の緑を想像した。
劇団の方たちは今までのように旅公演ができていないようだ。街角で、通りがかりの人が大道芸に足を止め、まあるく囲むような日が来たらいいなと思った。

ボランティアライター 深谷香

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