★イベントレポート「なぎさジャズコレクション 佐山雅弘&寺井尚子デュオコンサート」2015年5月24日開催
2015年度から活動を開始した
当ホールの情報発信ボランティアの方によるレポートです。
イベントの雰囲気や感想をみなさまに発信する活動をしてまいります。
湘南・逗子でジャズが聴ける?!
十九歳の頃、東京。掲示板に「本日休講」の文字を見つけると、学校を抜け出してジャズ喫茶でブラックコーヒーを飲んでいたのを思い出した。薄暗い店内は、煙草の紫煙。気難しそうな顔をした人たちが、ジャズに聴きいっていた。店の外に出ると、少し大人になったような気分だった。
平成27年5月24日(日)14時から逗子文化プラザなぎさホールでジャズのデユオ・コンサートが開かれた。おおきなホールでジャズを聴くのは初めてだ。出演はジャズピアノの重鎮、佐山雅弘氏とジャズバイオリニストの第一人者、寺井尚子氏だ。
曲目は「スペイン」「イン・ザ・ベルベット」など盛りだくさん。演奏は激しく情熱的な中にも繊細さが感じられた。デュオはベースやドラムなどのリズムがない分シンプルで難しそうだが、ピアノとバイオリンが楽しく自在に会話をしているようだ。しばらくして、パーカッションの松岡高廣氏が加わりトリオで演奏。
佐山氏が中学時代、はじめてジャズを好きになったという曲「自由への賛歌」ピアノソロもあり、いつのまにかジャズの世界に惹きこまれている。非日常の空間に浮かぶ心地よさに浸る。心と体が自由になったような爽快感だ。
あっというまに時間がたった。555席以上のホールが明るくなると、満員の聴衆。意外にも女性の姿がたくさん目につく。パワーをもらった人も多いのではないだろうか。
ロビーに出ると、演奏の疲れも見せずに笑顔で寺井氏がサイン会をしていた。
これからも、湘南・逗子でジャズのコンサートが聴けると嬉しいものだ。
情報発信ボランティア 海原弘之
***************************************
5月24日(日)、逗子文化プラザ「なぎさホール」で催された≪なぎさジャズコレクション佐山雅弘×寺井尚子デュオ・コンサート≫[14:00開演]に出掛けた。
開演10分前には多くの観客が着席している。ステージ下手にスタインウェイ。上手にパーカッションセット。その中間に柔らかな照明があたっている。奥の黒いカーテンのドレープもきれいにライトアップされていてエレガントだ。演奏予定と告知されている2曲のほかに何が弾かれるのか楽しみだ。 ・・・開演のブザーが鳴った。
黒いアンシンメトリーの膝丈のドレスにエナメルのピンヒールで寺井さんが現れた。佐山さんは落ち着いたダブルのジャケット姿。さっそくNew Album『HOT JAZZ』に収録された4曲が演奏された。まずはピアノとヴァイオリンのデュオで♪Tango pour Claud、♪In the Velvet。続いて、松岡“matzz”高廣さん(perc)を迎えて♪Fragile、♪November。ドラムや色々なリズム楽器(コンガ?ティンバレス?)が操られる。♪Fragileでは寺井さんのピチカートにスティングがギターを奏でる姿を思い出した。
曲間の間合いが難しく、客席では拍手したい気持ちと一音でも逃さずに聴きたい気持ちが交錯する。そんな我々の拍手に頷き応える寺井さんの笑顔も印象的だった。
佐山さんのピアノソロは3曲。♪Waltz for Debby(佐山さんが中学2年生の時に覚えた曲だそうだ。所謂“ズンチャッチャ”とは違う雰囲気の優しいワルツだ。)♪Hymn to Freedom、♪Tears of Nature。音色はもちろんのこと、鍵盤蓋に映る指先にも見惚れた。再びトリオ演奏で、アップテンポの♪Escualo(鮫)。お次は対照的にゆったりとしたアメリカ民謡の♪Shenandoah。ラストは♪Aranjuez~Spain。情熱的なトリオの演奏に客席もリズムを刻まずにはいられない。ライブハウスや野外ステージのようにはいかないが、お行儀良く、あごや肩が揺れだす。ホールに来ればこの一瞬だけの二度とないアドリブに立ち会うことができる。演奏が終わると鳴り止まぬ拍手は息の合ったアンコールにかわり、♪Fou rire、♪Isn‘t She Lovelyの2曲で終演となった。
全12曲、多彩なジャンルのプログラムが見事に“ジャズ”られたコンサートだった。
情報発信ボランティア 深谷 香
(投稿日:2015年06月12日)