★イベントレポート「ALOHA ZUSHI!KONISHIKI BAND ハワインアンコンサート」2017年7月23日(日)開催

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当ホールの情報発信ボランティアによるレポートです。イベントの雰囲気や感想を発信する活動をしています。

「アローーーハアーーー!!」すごい声量です。KONISHIKIのコンサートに夫と1歳の娘と来ました。登場してまず第一声が冒頭の挨拶だったのですが、「マイクが必要ないのでは?」と思うほどの大きな声でした。娘が1歳に満たない、もっと小さい時に、クラシックのキッズコンサートに来た事もありましたが、当時はまだ歩けず、本当に赤ちゃんだったので、歩ける今の方がコンサート鑑賞は大変だったはずです。今回、KONISHIKIのコンサートでは、始まるまで、落ち着きがなく、シールブックでご機嫌を取っていました。先が思いやられると思いました。でも、いざ始まると、興味津々といった感じに見入っていたので、親の私がビックリ、ホッと安心しました。ギター、ベース、キーボードのバンドをバックに、KONISHIKIはウクレレを奏でながら揚々と歌います。隣に、背が高くて目鼻立ちのハッキリした美人の奥様、さらに左右には、小柄で可愛らしいフラダンサーが二人、花を添えます。ハワイの音楽とダンスで、会場に一気にハワイの風が吹き、ハイビスカスが咲いたようでした。特に良かったなあと思ったのが、金子みすゞの詩を歌にした≪私と小鳥と鈴と≫でした。「みんな違って、みんないい」と言うメッセージを、優しく歌います。要約すると、人間の私は空を飛べないけれど、飛べる小鳥は私のように地面を走れはしない。私が体をゆすったって、きれいな音は出ないけれど、きれいに鳴る鈴は、私のようにたくさんの歌はしらないと言う、シンプルな詩にシンプルな曲をつけたものなので、ストレートに投げたボールがこちらの胸に入ってくるような、そんな歌でした。子ども番組でコニちゃんとして歌っていた曲で、KONISHIKIの、ひねくり回さない朴訥とした歌い方が本当に曲に合っていました。娘は、曲が終わるごとに、小さな手で拍手をしていました。1歳児を連れてのコンサート、会場には子ども連れは多かったものの、赤ちゃん連れが少なかったので、冷や汗をかきましたが、始まってしまえば、娘も聞きいっていたので、開場から開演の間まで、シールブックや絵本などで遊んであげれば、また来られるし、また来たいと思いました。

ボランティアライター 赤羽早弓

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ステージにいるのは、あの“小錦”だ。今は“KONISHIKI”という名で活動しているが、私にとってはやはり“小錦”だ。でかい。とにかくでかい!足なんか象みたいだ。力士時代の最重量は285kgだったが、今は“減量して”153㎏とか。それでも十分でかい!!大相撲の元大関“小錦”としてのイメージ。そしてNHKの『にほんごであそぼ』の“コニちゃん”のイメージ。双方があるせいか、当日の会場は小さな子どもさんを連れた家族連れから、年配のご夫婦まで、幅広い年代構成の観客で満員。「さあ、どんなステージを見せてくれるのか?」期待するなという方が無理な話だ。KONISHIKIさんがステージに登場して会場の熱気が一気に高まり、いよいよコンサートが開始された。目をつぶって聞いていると、聞こえてくるのは、あの闘う (今はもう闘っていないが) “小錦”が歌っているとは思えないような、真っ青な空と海を想像させてくれる、スケールが大きい、のびやかでそして柔らかいハワイアンな歌声♪奥様のTAUPOUさんや2人のダンサーの方が披露してくれるフラダンスが、またさらに我々観客をトロピカルな世界へといざなってくれる。KONISHIKIさんは曲の合間のMCでも、我々観衆をひきつけ飽きさせない。大相撲ネタから、『にほんごであそぼ』ネタまでの披露で、満員の会場はいつの間にか、リラックスしたムードと笑顔でいっぱいになっていた。ハワイアンのナンバーに南国の気分を味わい、ステージのダンサーの方たちの動きにあわせて観客が総立ちになって一緒に踊り、『にほんごであそぼ』で歌われている≪私と小鳥と鈴と≫では、会場の子どもたちが「みんなちがってみんないい」の部分を一緒に口ずさみ、≪南の島のハメハメハ大王≫を子どもの気分に帰って大人も一緒に大熱唱・・・。南国のムードを満喫させてもらった、終わってみたら「あっ」という間の、本当に楽しい時間だった。コンサートが終わり会場を出た。KONISHIKIさんの歌声がまだ耳に残っている私が見上げた、夕暮れまではまだ間がある青い夏の空。その空はなぜか、いつも見ている逗子の空ではなく、高く明るく澄んだ、あのハワイの空のように見えた。「いつかまたあの歌声を聴き、南国の雰囲気を味わいたい・・・」そう思わせてくれた楽しいコンサートだった。

ボランティアライター 浅野修弘

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“富士には月見草がよく似合う(太宰治の短編 富嶽百景の一節)”、“逗子には常夏の楽園ハワイの雰囲気が合いそうだな”と思っていたら、逗子文化プラザなぎさホール全体の照明が明るく輝き、元大関の小錦さんと千絵夫人があらわれた。相撲を引退して19年になるそうだ。漫才コンテストに出ても優勝するくらい、語りがうまい!あっという間に満員の客席をワイキキ海岸のような華やいだ雰囲気にしてしまう。ステージが始まると、私が思っていたゆったりしたハワイアンソングがまるでイノベーションしたように、ダイナミックな曲調が心地良い。客席からは自然に手拍子でリズムがきざまれた。千絵さんのソロのフラダンスは優雅、ステージ両サイドの千吉良優希さんと馬場智子さんのフラダンスは切れ味がよく美しくサウンドにのっている。コニちゃん(元大関 小錦の愛称)の号礼で、満員の観客がスタンドアップし、フラダンス真髄の一端である手の動き(多様な意味を表現する美しさ)を習い、ステージと一緒に踊った。ハワイアンソングと思っていなかった≪南の島のカメハメハ大王≫を聴いたときには、私の娘が幼稚園の頃、園のイベントで父娘一緒に同曲を歌いながら踊った(まるで阿波おどりだったと思いますが)ことを思いだした。 終演してロビーにでると、コニちゃんがサイン会を行っている。ロビーは東京・原宿の竹下通りより混雑して動けないくらいだ。あらためて観客をみてみると、アロハシャツを着ている中高年男性や、ハワイにステイしているような気分の人たちの笑顔があふれている。団塊世代の人たちは、なにかパーティなどがあると、ハワイアンバンド組んでの登場が定石だったことも思いだされた。彼らの世代は、年をかさねる毎に元気が増していくようにみえる。観客の若い女性や子どもたちもお相撲さんだった「コニちゃん」は多分知らないだろうが、今日は感動とともに大きな元気をもらったことだろう。 

ボランティアライター 海原弘之

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こんなに幅広い客層のコンサートも珍しい。満員の会場には家族連れ、年配の団体、友達同士で来た小中学生、ベビーカーを押した夫婦、練習帰りかウクレレ持参のOLもいる。それぞれがみんな違う“彼”を待っていた。ある人は強さとキャラクターで愛された大関を、別の人は実力派のハワイアンシンガーを、そして子どもたちはTV番組『にほんごであそぼ』のコニちゃんを。さまざまな期待が渦巻く中、バンドの演奏に迎えられ、コーラスなどを務める奥さんとともにKONISHIKI登場。大きなお腹を揺すり歩く姿はどこかユーモラスだ。実はこのときまで自分の中のKONISHIKIは、“面白発言を連発するハワイ出身の元大関”ぐらいの印象。それが歌い出した途端、ガラリとくつがえった。朗々としているのに、深い切なさがある。心を掴み、ときほぐす不思議な歌声だ。歌で魅了したかと思えば、軽快なトークで爆笑を誘う。場内を湧かせるエンターティナーぶりも見事である。曲はハワイアンのスタンダードを中心に、子どもの歌から最新アルバムのナンバーまで。中でも印象的だったのが金子みすゞの詩に曲をつけた《私と小鳥と鈴と〜みんなちがってみんないい〜》。思いを込めて歌うその歌詞がずしんと響く。彼にとっては外国語。だが一言一言にちゃんと心がある。「来日して36年、自分はもう日本人」と言うKONISHIKIの言葉を実感した歌声だった。そんな彼の率いるKONISHIKIバンドのハワイアンは独特だ。その音楽を聴き、心がいざなわれるのはハワイのような異国ではなく、もっと別の楽園。もっと近くにあり、楽しさに溢れ、どんな人でも気軽に飛び込める。それは気がつけばこの会場そのもの。コンサート中、場内を見回すと、世代を超えて誰もが幸福な表情をしていた。ハワイと日本、二つの心を持ち、故郷から遠く離れた場所で一人、相撲、子ども番組、音楽……と挑戦し続けた人。彼を中心に生まれた世界は、ものすごく懐が深いのだ。コンサート後の握手会も大盛況。一人一人と親しく話すKONISHIKIとの対面を終え「夢が叶った気がする」と興奮気味にしゃべる少年を見かけた。彼のヒーローは、この2時間でどんなに大きいものをその心に与えたのだろう。

ボランティアライター 寺山ルリ子

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バンドメンバーがスタンバイするステージへ「逗子のみなさん、ALOHA!」と、KONISHIKIさんと奥様の千絵さんがゆったりと登場してきた。お揃いの赤い布地のアロハシャツとフラドレス姿だ。赤い布地はKONISHIKIさんのご両親の故郷・サモアのものだそうだ。演奏が始まると、力強い歌声に意表を突かれた。子ども番組でマイルドにゆったり歌う姿ばかり見ていたからだ。その力強い声に千絵さんがさり気なく調和する。その歌声はお人柄が滲み出て、優しくのびのびと響く。そしてフラを踊り始めたときに、ドレスの裾から素足がのぞいた。…なんとKONISHIKIさんも裸足だ。少し驚いたが、土俵もフラもそれが自然だ。この日は名古屋場所の千秋楽。角界への思いも語ってくれた。引退してからも相撲を愛し、いま活躍している力士にエールを贈る。取り組みを見ることなど滅多にない私だが、国技の世界ものぞいてみようかと思えた。曲ごとにドレスを変えて登場する2人のフラダンサーとカラフルな照明もステージを明るくした。彼女たちに倣って来場者も簡単な振り付けを踊り、楽しい一場面となる。まるで夏の夕方に潮風を感じているような気分で、前半のステージが終わる。そして後半、とても素敵な3曲と出会うこととなる。≪プレゼント≫、≪Slow Life≫、≪COLOR’S≫、どれもオリジナル曲だ。歌詞がシンプルな言葉でつづられ、聴いていて穏やかな気持ちになる。「てをつないで」とか「ずっといっしょにいよう」とか、そんな歌詞をKONISHIKIさんと千絵さんが掛け合うように、ゆったりとしたメロディーに乗せる。バンドはいなくて二人きりだ。お互いを思う気持ちがストレートに歌われるのを聞いて、大切なはずの人を大切にしてきただろうか、と自分を振り返る。みんなはどんな気持ちで聞いているのだろうと気になって会場を見渡せば、幅広い年齢層で満場。年配の方も多く、男女比も半々だろうか。皆さんそれぞれに受け取りながら、じっとステージを見つめているように感じた。日本語の歌詞が難しいと話していたKONISHIKIさんが、譜面台を見ながら一語一語、確かめるように歌っていたのが印象に残る。アンコール曲は≪Aloha Mahalo `A hui hou≫(「こんにちは、ありがとう、またお会いしましょう」おそらくそんな意味)。終演後、長い列に並んで写真を撮っていただいた。握手した手が本当にとても大きくて温かかった。この夏はこのまま心地よいハワイアンタイムで過ごせそうだ。

ボランティアライター 深谷香