当ホールの情報発信ボランティアによるレポートです。イベントの雰囲気や感想を発信する活動をしています。
ホールオープンデーのさまざまなイベントで陽気に賑わう文プラを見渡しながら、なぎさホール入口に向かい階段をのぼると…なにやらレトロな音楽が聞こえてきた。いま思えば、あれが《こどもチンドン屋さん》だったのかもしれない。彼らを囲む人と、当日券に並ぶ人で、入口はあふれていた。
親子連れ、お孫さんとおじいちゃまおばあちゃま、大人同士、若者同士など、客層が厚く、続々と入場する来場者に、レセプショニストはにこやかに対応し、指定席へと案内していた。
突如、一階席の出入口から出演者が演奏しながら入ってきた。このサプライズに「すごぉい!素敵だね!」という声が聞こえてきた。
メンバーはステージに上がり演奏を続け、しばらくしてから指揮者が登場。独特のタイミングで現れた松元氏は「泣き声もスパイス。この場を全員で楽しみましょう。」と、気が利いたことをおっしゃった。松元氏はよく喋る学校の先生といった感じの方で、その身振り手振りの意図が解りやすく、私たちは自然と手拍子を打ったり、歌ったりして音を楽しんだ。そしてブリッツのメンバーほど笑顔で演奏するアーティストをみたことがない。ホルンのお姉さんが、客席の誰かにピンポイントで向けるような笑顔をされていたのが特に印象に残っている。
手遊びコーナーで、燕尾服のお兄さん二人が、楽器を置いて、スタンドマイクに向かったときは、「えっ!歌っちゃうんだ!?」と思ったけれど、 “グーチョキパーで~なに作ろ~”と歌いだすと、とてもいいお声で、歌もお話も上手だった。
新コーナー“指揮者にチャレンジ!”では、6才と8才のお子様が挑戦した。その愛らしさに表情筋を緩めながらも、真剣なお顔で‘こども指揮者’のタクトに合わせるアーティストたち。客席も応援するように1テンポ1テンポうなずいて、とてもほんわかした光景だった。
《こどもブリッツ》は、「子供が泣いたらどうしよう」などと緊張し過ぎずに、安心してその場に居ることができるコンサートだ。誰もがその場をマルっと楽しんでいた。
最後はメンバーが客席に降りて、“宝島”を演奏。そばを通る楽器の音がダイレクトに来た。同じ生の音なのにステージから届く音より迫力があった。
アンコールの後、メンバーと交流できる時間が設けられ、たくさんの来場者がステージに上がり、写真を撮ったりお話したりしていた。最後まで愉しいブリッツスタイルだった。
ボランティアライター 深谷香